日本財団 図書館


 

強しました。夜中の一時、二時、ときにはレポートの提出に徹夜することもありました。
日曜日も自分の読みたい本がなくなると言って、朝一番に図書館通いです。夏冬の休みには、スクーリングで京都の大学へ勉強に行きました。ろう学校の先生にも随分このことでは助けて頂きました。皆さんに支えられながらの五年半の年月は、「よく頑張った」と拍手をおくっています。さらに来年は、教育実習と教員の採用試験があります。教師として教壇に立つ日を目標にもうひと頑張りです。ある哲人の言葉に、「泥沼が深ければ深いほど蓮華の花は美しく咲き香る。人生もまたかくの如し」とあります。
私も障害の子供を持つことがなかったら、きっと心の貧しい人間で終わっていたと思います。ろう学校の先生や子供たちから、多くのことを学んだことに感謝するとともに、親子ともどもそのご恩に報いるよう、成長したいと思っています。
恭正も平成三年、同じ障害を持つ方と縁あって、皆さまに祝福されて結婚しました。昨年、私の家の近くに家を購入、仲よく暮らしています。月に一度、忙しいなか親や妹弟の家族にも散髪の奉仕に来てくれます。主人は、「お母さん、恭正が一番、親孝行だね」と大満足です。
今、我が家も春欄漫、幸せいっぱいです。皆さん本当にありがとうございました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION